山崎 健太郎【獣医師】
仕事内容を教えてください。
日々の健康診断や予防接種に加え、総合内科のから外科手術まで、幅広く診療を行っています。
また、私自身がこれまで学んできた画像検査の知識を活かして、レントゲン画像の読影や超音波検査にも注力しています。

入社を決めたきっかけは?
獣医師を含む動物病院のスタッフと飼い主さんとの距離感が近く、「寄り添う診療」をされていたことが入社を決めた一番のきっかけです。
獣医師としてまだ診察経験がなかった当時、私が最初に働く病院に求めていたのは、二次診療施設のような大きな組織ではありませんでした。
飼い主さまや動物の患者さまとじっくり向き合い、信頼関係を築くこと。
そして、ご家族の皆さまが不安に思っていることを何でも相談できるような、あたたかかい雰囲気の病院で働きたいと考えていました。
そんな想いで当院に実習に来させていただいたとき、忘れられない光景に出会いました。
リンパ腫を患うワンちゃんのご家族さまが、抗がん剤治療をすべきか決められず、深く悩んでいらっしゃったのです。
抗がん剤治療は腫瘍と闘うための選択肢ですが、毎週の通院や副作用でワンちゃんを苦しめてしまう可能性もあります。
治療するにせよ、しないにせよ、それぞれにメリットとデメリットがある。
ご家族は、治療しないことが「愛犬の命を諦める」ことのように感じられ、決断できずにいらっしゃったのだと思います。
そのとき、先輩がご家族にこう伝えたのです。
「抗がん剤治療をしないのは、決して諦めることではありません。この子が残りの時間を一番楽しく、穏やかに過ごすための、大切な選択肢の一つなんですよ」
その優しい姿が、今でも記憶に残っています。
入社後一番苦労したことはなんですか?
頭の中の知識と実際の診察を結びつけ、自分で一から診察を組み立てられるようになるまでが一番大変でしたね。
当院は日々の診療の中で、先輩方と治療方針について気兼ねなく議論することができる環境です。
そうした環境で多様なアプローチを学ぶうちに、少しずつ知識と実践を結びつけられるようになったと感じています。
また、「医学的に正しいことが必ずしもご家族にとって最善の医療になるとは限らない」ということも、臨床現場に出てから学んだ大きなことの一つですね。
入社して成長したと感じられるところはどこですか?
入社して早い段階から診察を担当させてもらえたので、先輩のやり方を見ながら学べたことですね。
特に、診察中にご家族の皆さまに安心感を与えられるような説明の仕方が、一番成長できた部分だと感じています。

印象に残っているエピソードを教えてください。
初めてワンちゃんの出産を経験されるご家族さまで、帝王切開で出産をしなければいけない状態の子がいました。出産前はとても不安そうだったご家族の皆さまでしたが、無事に赤ちゃんが生まれて母乳を吸い始めたとき、パッと安堵の表情に変わられたんです。そのお顔が、今でもとても印象に残っています。
また、ぐったりとしたワンちゃんが緊急で来院されたことがありました。急いで検査をすすめると、お腹の中で肝臓の腫瘍が破裂して出血している状態でした。一刻を争う状態でしたので、獣医師と看護師全員で協力して緊急手術を行い、原因となっている腫瘍を摘出し止血。その後ワンちゃんが無事に麻酔から醒めてくれたときはとてもホッとしました。またその際に一時的に診察をストップすることになりましたが、来院されていた方が全員状況を察して何も言わず待っていてくださったことをよく覚えています。
これからチャレンジしたいことや展望を教えてください。
これからも新しい知識をどんどん吸収して、日々の診察に役立てていきたいと考えています。
具体的には、二つの大きな目標があります。
一つは、診断の精度をさらに高めることです。以前から挑戦したいと思っていた大学院での研究について病院に相談したところ、快く後押ししてくださり、2025年4月から週3〜4日ほど診療を続けながら、大学院で画像診断を学んでいます。
もう一つは、外科の技術を向上させることです。実際の手術では先輩の先生方から直接指導を受けられるほか、病院の制度を利用して手術動画をe-learningで視聴することもできます。こうした恵まれた環境を活かし、日々トレーニングに励んでいます。
あなたから見た‘‘美術館前動物病院ってこんな病院”を言葉にすると?
“近所のカフェのように気軽に立ち寄れて、動物たちの健康について相談ができる病院”です。
向達 汐美【獣医師】
仕事内容を教えてください。
獣医師として日々の健康診断と予防治療を主に担当しています。
採血やレントゲン検査、超音波検査などの補助を行うことも多いです。避妊手術や去勢手術、歯科手術の執刀も少しずつ担当していく機会が増えています。

入社を決めたきっかけは?
実習に2日間参加させていただきました。どちらの日程も来院数が多い日でしたが、先生と看護師の皆さんの連携がとてもスムーズで、チーム全体で協力しながら診察にあたっている様子が印象的でした。
また、忙しい中でもベテランの先生が質問に答えてくれるなど、気になったことをその場で聞ける環境が良かったです。本や雑誌などの資料も多く、学会参加への補助なども手厚いため、学べる環境が整っていて成長していけそうだと感じ入社を決意しました。
入社後一番苦労したことはなんですか?
当時まだ獣医師1年目だったので、動物の保定や採血、検査、薬の処方などすべてのことを覚えていかなければいけない状態でした。その中でも特に動物の保定はその子の性格に応じてやり方を工夫する必要があり、慣れるまで大変でした。
また、犬と猫では体のつくりが違うので、同じように保定しようとしてうまくいかなかったことも多いです。今では犬でも猫でも安定して者さんを支えられるようになっています。
職場の雰囲気は?
あたたかかくて落ち着いた雰囲気です。
獣医師も看護師もベテランのスタッフが多く、とても頼りになります。診察が混み合っているような忙しいときでも、困った際にはすぐに相談に乗ってくれるので、常に安心して仕事に取り組めます。
これからチャレンジしたいことや展望を教えてください。
多くの飼い主さまに信頼されるような獣医師になりたいです。
そのためにもたくさんの症例に触れて経験を積み、診断力や対応力を高めていくことが今の目標です。日々の診察でわからないことがあればその都度先輩に相談をして、少しずつできることを増やしています。
また、病院外でも知識を得られるように、学会への参加やWEBセミナーの視聴も積極的に行っています。
こうした活動にかかる費用は病院が手厚く補助してくれるので、本当にありがたいですね。将来的には内科から外科まで幅広い分野の疾患に対応できるジェネラリストとして活躍していきたいと思っています。

あなたから見た‘‘美術館前動物病院ってこんな病院”を言葉にすると?
“あたたかい雰囲気が印象的で、落ち着いた中にもチームワークの良さが感じられる病院”です。
花村【動物ケアスタッフ・パピークラス講師】
仕事内容を教えてください。
動物ケアスタッフ兼パピークラスの講師として働いています。
動物ケアスタッフの主な仕事は、診察のサポートと入院動物のお世話です。
診察では、採血や超音波検査の際の保定、レントゲン撮影の補助、各種検査などを担当し、スムーズで安全な診療を支えています。入院中の子たちには、元気や食欲のチェック、投薬の準備など、安心して過ごせるようきめ細やかなケアをしています。
パピークラスでは、生後4ヶ月齢くらいまでの子犬を対象に、他のワンちゃんや人と安全にふれあう機会を提供しています。
また、ご家族の皆さまに愛犬とより楽しく暮らすための知識やコツを学んでいただけるよう、毎回テーマに沿った体験教室を実施しています。

入社を決めたきっかけは?
犬や猫が大好きで、以前から動物病院の仕事に興味はありました。
ただ、専門学校などに通っていたわけではないので、自分には難しいだろうと思っていました。
そんな中、会社説明会で当院の募集を知り、思いがけず「パピークラスの講師をやってみないか」というお話をいただいたんです。
それは私にとってまたとないチャンスでしたし、パピークラスという仕事内容にも大きな魅力を感じたので、入社を決めました。
入社後一番苦労したことはなんですか?
動物の患者さまにお出しするお薬の準備と、その料金計算に慣れることですね。
錠剤が飲めない子には粉薬をお出しするのですが、これを1回分ずつ均等に分けるのには、やはり慣れが必要でした。自信を持ってできるようになるまで、かなり練習しましたね。
お薬の値段も一つ一つ違うので、どのお薬を何日分お出ししたらいくらか、という計算がすぐにできるようになるまでにも、少し時間がかかりました。たくさんの練習が必要でしたが、今ではどちらも問題なくできるようになっています。
入社して成長したと感じられるところはどこですか?
一番成長できたのは、「ご家族の心に寄り添う対応」ができるようになった点です。
最初の頃は、私自身が病気について十分に理解できておらず、説明も上手にできませんでした。今では、ただ説明するだけでなく、ご家族の心情を汲み取った上で、どうすれば一番安心してもらえるかを考えながらお話しできるようになったと思います。
パピークラスでも、初めてワンちゃんを迎えた方にもわかりやすく伝えられるようになりました。最初は先輩のやり方を真似するので精一杯でしたが、今では自分なりに工夫して、より参加者の印象に残るような教室ができているな、と感じています。
印象に残っているエピソードを教えてください。
私が一人でパピークラスを担当するようになってから、初めて卒業していった子たちがいます。その子たちが成長した後も、楽しそうに病院に来てくれる姿を見た時のことは、今でもよく覚えています。
その様子を見られるだけでも嬉しいのですが、ご家族の方に「パピークラスに通ってよかった」「先生に会うとすごく嬉しそうなんです」と声をかけていただけたときは、本当に嬉しかったですね。
職場の雰囲気は?
なんでも相談ができる先輩がいる職場です。また自分の“学びたい、知りたい”という意欲を大切にしてくれます。勉強したいことがあれば積極的にサポートしてもらえるので、自分次第でどんどん成長できる環境だと思います。
将来のビジョンは?
まずは、愛玩動物看護師の資格を取って、さらにスキルアップしていきたいですね。
それと同時に、当院のパピークラスをこの先もずっと続けていけるよう、後輩の育成にも力を入れていきたいと考えています。
あなたから見た‘‘美術館前動物病院ってこんな病院”を言葉にすると?
“パピー期からシニア期まで、いつでもなんでも相談ができる先生やスタッフがいる病院”です。
